スイス探訪② ZURICH

5/9(木)~5/16(木)

②5/10(金) チューリッヒ観光

気持ち良く眠っているとパートナーが授業から帰ってきた。時計を見たら正午頃で、だいぶお腹も空いていた。しかしパートナーが早速チューリッヒへ行こうという。「スーパーでパンを買って、電車で食べればいい」との事だ。

ダラダラしていても仕方がないので外に出る。気持ちのいい天気だ。駅前のスーパーに入る。スイスのスーパーはおおよそ「coop」と「migro」の2酒類で、どちらにしても日本のパン屋と遜色ないクオリティのパンが売っている。種類も多く迷うが、ほうれん草のソースのパイとホットドッグを購入して、早速列車に乗り込んだ。

ちなみに、スイス国鉄のアプリをダウンロードしておくと、日本における「乗換案内」的な機能が使えるので便利だ。

また、1週間以上の長い行程でスイス国内を巡る場合は、「Swiss Half Fare Card」というスイスのほぼ全ての交通機関の運賃が半額になるチケットと、「Saver Day Pass」というスイスのほぼ全ての交通機関が1日乗り放題になるチケットを事前に購入し、併用すると結果的に安上がりになる。スイスはそもそも物価が高いので、このような節約が非常に重要になってくる。購入方法等は、他の日本人のブログを見た方が話が早い。

さて、ヴィンタートゥールからチューリッヒは30分程度だ。チューリッヒはスイス最大の都市であり、交通の要衝であると同時に、金融機関や銀行等、様々な組織や企業の本社を有する世界有数の経済都市である。駅に降り立つとホームの数が凄まじく、ここがスイスの交通の中心であるとわかる。人の数もぐっと増える。最大都市の活気を感じさせる。駅の外に出て振り返ると、チューリッヒ中央駅の駅舎がとても立派だ。

とりあえず「地球の歩き方」を見ながら、徒歩で要所をぐるりと巡ることにした。まず向かったのは「リンデンホフの丘」である。丘の上にある小さな広場で、市民の人の憩いの場所になっている…と言いたいところだが、ここにいる人間の半分以上は観光客だろう。リマト川の流れと、対岸をのんびり進む路面電車を見下ろす。

リンデンホフの丘から南へ歩いて丘を下っていくと、前方に聖ペーター教会の時計塔が顔を覗かせるようになる。このあたりはいい雰囲気の路地裏で、オシャレな雑貨店も多い。魔女の宅急便の街のような雰囲気、という表現が正しいのか分からないが、まあそんな感じだ。

聖ペーター教会の前は広場になっている。ここから歩く向きを変え、青いとんがり帽子のような屋根が特徴的なフラウミュンスターを見送り、リマト川にかかる橋を渡った。眼前に聳え立つ2本の大きな鐘楼が特徴的な建物は、グロスミュンスターだ。

対岸に渡り、チューリッヒ湖の方面へ歩く。対岸にはフラウミュンスターの青いとんがり帽子のような屋根が存在感を放っている。聖ペーター教会と向かい合うような感じで、どんぐりの背比べ(表現は正しくない)のようだ。リマト川に繋がれた小舟の上で水鳥が遊んでいてとても和む。そのままリマト川に沿って歩いていくと、目の前が大きな青い湖となった。チューリッヒ湖だ。

少しばかりチューリッヒ湖に沿って南下し、少しばかり行くとチューリッヒ歌劇場だ。要するにオペラハウスだ。オペラハウス前の階段は、どうやら市民の程よい休憩場所となっているようだ。

⁡ここからもう一度駅方向へ戻っていく。ジェラート屋でジェラートを買って、かじりつきながらパブや雑貨店などが立ち並ぶ通りをのんびり歩いていく。

小さなケーブルカーに乗り、リマト川左岸の丘陵地帯の上へ上がってみる。大きな四角い宮殿のような建物は、スイス連邦工科大学チューリッヒ校だ。世界でもトップクラスの大学であり、なんとあのアルベルト・アインシュタインが在籍していた大学でもある。大学前は広場になっていて、対岸の眺めがいい。下層にリンゴでも落として相対性理論を証明したくなるが、もちろんそんなことはしない。

ケーブルカーでもう一度下り、歩みを進めて再びチューリッヒ中央駅まで戻ってきた。水上バスで川からもう一度見て回ろうとも考えたが、長蛇の列ができており諦めた。

さて、あまり時間をかけず回ることができたので、ユトリベルグ山というちょっとしたハイキングスポットに行くことにした。中央駅から、チューリッヒ郊外へ向かう列車に乗る。

列車はクネクネと繰り返し曲がりながら標高を上げ、チューリッヒ中央駅から30分程でユトリベルグ駅にたどり着く。駅から山頂まで舗装路が整備されており、15分程度の歩きだ。途中の広場で家族連れがBBQをしていて、香辛料と共に肉の焼ける香ばしい匂いが漂っていた。

山頂にはホテルとレストランがあり、展望台のような広場からチューリッヒの街並みが一望できる。青く煌めくチューリッヒ湖が美しく、遠くベルニナアルプスが見える。反対側に目を向けると、そこは長閑なスイスの田園地帯だ。

⁡⁡⁡⁡ハイキングコースを下り、ユトリベルグ駅から列車に乗る。チューリッヒ中央駅で乗り換えて、そのままヴィンタートゥールに帰ることにした。

戻るとまだ18時だったので、パートナーが少しヴィンタートゥールの街並みを案内してくれた。時間的にも、スイスの市民は1杯飲みに繰り出す時間のようで、朗らかな喧騒が響いている。

通っている大学の場所を紹介してもらって、スーパーに寄ってからシェアハウスに戻った。外食では財布が持たないので、この旅は自炊なのだ。まあ、しっかりスイスビールとチーズは購入したのだが。

スイスは山岳地帯のイメージが強かったが、ひとまずチューリッヒに来て感じたのはとにかく「青」が印象強いということだ。

秩序の存在する歴史ある街並みはどこも空が広い。日本に残る宿場町などもそうだろう。無作法に建てられたビル街や住宅街は殺風景になる。青空が人間の生活にどれだけ好影響を及ぼしているのか、秩序ある生活空間を訪ねるとそれが理解出来る。

本で見たヨーロッパの街は美しかったが、実際に訪れてみるとより一層そう思う。⁡
⁡専門家では無いが、大衆を取り巻く都市環境が公共の下にあり、歴史が築き上げてきた洗練された都市空間を維持することに、無意識のうちに市民が矜恃を持っていることが分かる。

さて、スイスは日が長く、20時になっても日が沈まない。しかし明日はどうしても早起きしなければならない。時差ボケに輪をかけて時間感覚が狂いそうだが、こういう時は寝てしまうに限る。自炊した飯を平らげたあと、無理やり目をつぶって日付が変わる前に眠りについた。

つづく


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