御嶽山

2023.9.24(日)

私は超弩級の雨男なのだが、なぜか最近は普通に天気が良い。前十字靭帯再建後の経過がだいぶ順調なので、この週末は泊まりの山行計画を立てていた。天気予報はかなりいい感じで、確率の揺り戻しというものは本当にあるものだと感心していたのだが、2日前になって盛大に寝違えを起こし首が回らなくなってしまった。まあ、自分の持つ運とか幸福量とかそういうものを考えると、結局こういう風につじつま合わせで収束していくのだと思いながら、こういう時しか行かないだろう、ということで日帰りで御嶽山に登ることにした。

ロープウェイを使用せずガッツリ登ってダイエットしよう、なんて思っていたのだが、相方が「ロープウェイが良い」とか言うので、ロープウェイで飯森高原駅まで登ることにした。

登山口からの樹林帯は奥秩父の雰囲気に近い。しっとりとしたシラビソの森を進み、歩みを進めてコツコツと標高を上げるにつれ植生がだんだんと変化していく。ハイマツが姿を現すと八合目は近い。木々は色づき始め、秋の装いを始めているようだ。

八合目には小屋があり良き休憩スポットとなっている。なかなかかわいらいいTシャツが売っていた。赤い実をたわわに実らせたナナカマドの向こうに御嶽山の見事な姿が見える。山スキーをするのにも気持ちよさそうな山だ。

御嶽山は各アルプスから程よく距離のある単独峰であるため、非常に多くの山々を見渡すことができる。山座同定が捗る景色で、しばし景色を眺めて思いを馳せる。

御嶽山は古くより山岳信仰の対象となっていた山だ。登山道各地に鳥居や銅像、石造を拝むことができ、その雄大な山容に畏敬の念を払われていたことが容易に想像できる。

銅像や神社にお参りをして、素晴らしい景色を眺めながらのんびり進み、快晴の中山頂に辿り着く。360度の大展望だ。

二ノ池山荘でカレーを食べて、御嶽山の大きな裾野を眼下に標高を下げていく。ちょうどお腹がすいてきたころにロープウェイの駅に着いた。

さて、9年前の御嶽山の噴火はまだ記憶に新しいだろう。死者58名、未だ5名が行方不明で、戦後最悪の火山災害となっている。

山頂のシェルターの横には慰霊碑があり、私も手を合わさせていただいた。お経を唱えたり、献花をする方もおられた。

当時、ニュースで噴火する前の御嶽山の様子を見たことがあった。この日と同じような青空が綺麗な日で、本当にこの後噴火が起こるのか、と思うような穏やかな休日の山の風景があった。

私は登山者の安全を啓発できるほど殊勝ではないが、今私にできることは、まずは自らの安全と、全て登山者の幸運を祈ることくらいだ。

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