上州武尊山 湯ノ小屋沢川 木ノ根沢大沢

2021/8/3(火)

かねてよりTuff氏と上信越国境の釜川ヤド沢を遡行する予定であったが、沢の達人のMさんからお誘いがあり、上州武尊北面のこの沢を遡行することとなった。

木ノ根沢大沢は、上州武尊山北面を流れる山域一の難渓で、緑に囲まれた美しいナメと、泥壁に囲まれた脆いゴルジュを擁する秀渓である。

季節は8月上旬、天気予報は晴れということで、猛暑を想定していたので、とても気持ちいい水遊びが出来ると思い胸を踊らせていた。しかしながら、前夜から霧雨が降り、朝になっても薄曇りである。雨男ここにあり。結局気温が上がらないままの入渓となる。

入渓してしばらくは癒し系の渓相で、綺麗なナメとゴーロが続く。少々寒いが、ウォータースライダーをしながらできるだけ楽しんで進んでいく。おかげで腰を強打して終始痛かったことは黙っておく。

途中林道が通り、通過が難しそうな滝を巻くことができる。程なくして第一ゴルジュに入る。泥壁に岩が突き刺さっているようなゴルジュで、全体的にホールドが脆い。まずは巨大な岩が挟まった壮観なCS滝が現れる。これは右岸を巻いた。

いつも通り沢の水をがぶがぶ飲んでいたのだが、ゴルジュに入るとやたら獣臭くなってきて、遡行していくと支流の沢が合流するところに鹿の白骨化した死骸があった。さらに支流の沢の水が黄色く濁っており、「ヤバい水を飲んでしまった」と戦慄する。「濾過機など男らしくない」という舐め腐った考えは、危ない細菌に殺される前に捨てた方がよいかもしれない。

この後もゴルジュの中には何故か鹿の骨が多く転がっていて、「”鹿殺し沢”に改名した方がいいんじゃねえの」などとくだらないことを思いながら、ゴルジュを進んでいく。シャワーを浴びる滝も多く、もう少し暑ければもっと爽快だろう。

第1ゴルジュの出口には立派な15m滝があり、ここでは草付きのいやらしい高巻きを強いられた。

同行者2人のペースはなかなか速く、第2ゴルジュに入った辺りでバテてくる。第2ゴルジュも軽快に突破し、渓相が開けてくると終盤戦である。ヌメヌメの滝を幾つか越え、笹と潅木の薮と奮闘すると稜線に出る。

帰りは登山道を下る。武尊避難小屋と田代湿原を経由して林道へ至る。もともと沢で1泊の予定が日帰りで抜けてしまったので、木ノ根沢の支流でタープを張り、焚き火をしながらプチ宴会をする。1泊2日を1日に縮めたこともあって久しぶりに長い行程だったので、正直めちゃくちゃバテており、お酒が入るとすぐに眠くなった。

今回は最近よくザイルを組んでいるTuff氏と、熟練沢屋のMさんとの遡行だったということで、非常に学ぶことも多かった一本だった。Mさん曰く上州武尊の冬は気候が安定しており、サラサラパウダーを楽しめるらしいので、次はスキーで訪れたいと思う。

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3497204.html


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