北アルプス 真川 岩井谷右俣⁡

2022/8/11(木)~8/12(金)

今年も盆がやってきた。死者が生者の下に還ってくるというめでたい数日を通過する時、僕の胸には一抹の寂しさが残る。まだまだ汗ばむ暑さなのに、反動するように心は少しずつ冷えていく。僕は夏が好きだ。盆が来れば、もうじき夏が終わる。死者の風と共に夏は去りゆく。

今年も最後の夏を味わおうと、盆は泊まりの沢山行の計画を立てた。八幡平の葛根田川、南アルプスの信濃俣河内のふたつの計画を立てていたが、雨男が災いしてまた天気が悪い。それでも立山方面は天気が良さそうだったので、前日に転進を決めて黄昏時の中央道を爆進する。

北ノ俣岳の登山口で前泊して、翌朝に折立へ。⁡入渓地点の岩井谷橋へ長い長い林道歩きをしていると堰堤工事のおじさんが車に乗せてくれた。今回の山行のMVPである。⁡

そそくさと準備をして9時に入渓。さすがにアルプス、穏やかな沢とはいえ、沢のスケールが大きい。やはり他の山域と比べて水量も多い。今回のパートナーはSWV時代から結構一緒に登らせて貰ってる⁡Rさんだ。岩登りの達人で、「クライミングしすぎて脚の筋肉無くなった」とか言ってたが、普通に自分の同じ重さの荷物を担いでスイスイ進んでいく。「荷物は僕は持ちますよ!」とか言ってる自分の立つ瀬がない。入渓1時間でRさんは「ちょっと釣ってくるわ〜」と竿を出し、釣りをしない自分はポケーっと眺めていると、ものの一瞬で釣れた。この沢、入れ食いである。⁡

鳶谷の出合で休憩し、少し進んだところでまた竿を出すと、またまたイワナがヒット。しかも子持ち。卵を生で食してみたが、味が無く生臭い塩辛みたいな味である。ここでRさんは手際よくイワナを捌き、即席で刺身を作る。脂が乗って最高に美味い。⁡

⁡スケールの大きな谷に轟々と、そして爽やかに綺麗な水が流れる。入道雲が遠くに見える。今日は夕立は無さそうだ。夏の穏やかな午後、飛び石を続けながら順調に進む。右俣との出合に適地を見つけたので、そこでタープを設営した。自分がのんびり薪を集めている間、Rさんは釣りに出ていたが、戻ってきた。ダメだったようだ。⁡

⁡しかし2人でイワナが3匹、十分だ。やっぱこれよね〜と塩焼きとフライにする。担いできた酒で乾杯し、優雅な夜を過ごす。脂が乗ったイワナを喰らい、保険用の焼き魚を焼き上げ、ニンニクを素揚げして、豚汁を啜り、米をかきこんだ。とにかくめちゃくちゃ食べた。
⁡いずれ睡魔が襲ってきて、幸せな眠りについた。

翌朝、天気がグズついてきたので、右俣からのエスケープとする。行程が短くなったので、朝はのんびりコーヒーを沸かす。ゆっくり準備をして出発。右俣は日本庭園的な風景の小気味よい沢で、清流の中をぐんぐん標高を上げていく。途中、イワナのつかみどりにチャレンジしたが普通に失敗した。他人の記録を見ると「つかみ取りした」と普通に記載されているが、そんなに上手くいくものなのだろうか。

沢は標高を上げると徐々に狭くなり、最終的に小川のようになる。少し笹薮を漕いで稜線に上がり、森林限界まで上がって缶詰を食べながらしばし眺めを楽しむ。太郎平まで行こうと思ったが、面倒になり下山を決断。この判断は正解で、下山中に雷がゴロゴロしてきた。今夏は自分の雨男パワーがなかなか強いようだ。山に行くたびに雷ゴロゴロである。

速攻で下って正午頃には下山。1日余ったので観光がてら富山へ向かう。途中Tuff氏の実家のパン屋さんに立ち寄らせていただく。パン、めちゃくちゃ美味い。その後宿に困ってこっそり高岡のニューオータニに泊まったり、白骨温泉に立ち寄ってたりしていたのは内緒である。⁡
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