越後駒ヶ岳 白沢 テレマークスキー

20224/24(日)

私の顔はどうやらオジサンに見えるらしいのだが、私は20代である。私のようなペーペーがいきなりテレマークスキーをやるというのはどうやら物珍しいらしく、山岳会に入った時から、テレマークスキー山行をしようと誘われていた。今回はその念願がかなったカタチである。

越後駒ヶ岳は、日本屈指の難関沢としても知られるオツルミズ沢と大チョーナ沢に代表される水無川と佐梨川が東面と北面の大地を抉り、300mほどにわたる大障壁を成している。対して、西面、南面からの越後駒ヶ岳は、全ての山麓を包み込むような女性的な山容に、心安らぐ高山植物の楽園が広がる。そんな二面性を持つ越後の女王は、その懐の深さを鑑みても、この山域のシンボルに相応しい。⁡

⁡さて、今回はそんな越後駒ヶ岳を滑ってきた。⁡

前日は春スキーのメッカ、奥只見丸山スキー場でテレマークスキーのレジェンドから手ほどきを受けた。そして銀山平の民宿に移動し、美味しいご飯に舌鼓を打つ、というVIPな夜であった。

早朝に石抱橋に車を置く。川の向こうに目指す越後駒ヶ岳はとても遠く見える。準備をして出発する。

スキーを脱いだり履いたりしながら北ノ又川の左岸を進み、骨投沢を越えたところで尾根に乗る。バランスを崩し、下まで滑り落ちて再度の登り返しを強いられたりしながらも急登をこなし、道行山の登りに取り掛かるが、ここでは雪が切れておりツ⁡ボとなる。道行山直下は滑ったら下までいきそうな雪の状態であり、斜度も悪いので慎重に登る。

道行山のピークでスキーを履き直す。ここからは越後駒ヶ岳に向かって穏やかな尾根が続く。左を見ると荒沢岳の風格ある山容が目を引く。こちらもいつか滑りたい。

小倉山はトラバースし、さあ頑張ろうというところで、最近悩みの偏頭痛がヤバくなってくる。まあそもそも足が遅い。ペースがガタ落ちしたので、1763mピークで引き返す。越後駒ヶ岳のピークは踏めなかった。⁡大変申し訳ない。

さあ、気持ちを切り替えてお楽しみの滑降である。まずは百草の池のあたりまで尾根を忠実に滑る。レジェンドのMさんがルート選定を行い、白沢の左俣へドロップする。

途中、パックリとでかいクラックが口を開けていたが、雪が繋がっている場所を繋ぐ。とにかく下へ下へ滑り込む。斜度は体感で平均25度、最大で35度くらいだと思うが、雪の状態は柔らかいシャバ雪という感じで、足を取られることもなく割と快適に滑ることができる。春の越後の山々を見渡しながらスピードに乗る。春の心地よい風が身体にまとわりつく感覚に酔いしれる。まあ、テレマークターンはまだまだ使いものにならないのだが。

スイスイ滑ってたら対岸の尾根でブロック雪崩が発生。気を引き締める。デブリーランドも通過し、より気を引き締めて滑り、右俣との出合に出て安全地帯へ到達した。

ここからは傾斜は緩いが、程なくして1箇所沢が割れて滝が出ており、横滑りで左岸を通過した。どうやら今週で賞味期限切れの様子である。

最後は傾斜の緩い河川敷を石抱橋までクロカンスタイルで黙々と進む。スノーブリッジを渡ったりしながら程なくして石抱橋に到着。板4枚を並べて記念撮影を行った。⁡テレマークスキーが4台並ぶのはなかなか珍しいのではないだろうか。

銀山平の温泉施設に向かっていると、右手に翼を大きく広げた鳥が見えた。イヌワシだ。刹那、大空へ飛び去ってしまった。一瞬の邂逅だったが、目に焼き付けた。あぁ、深山の王者よ。何処までも飛んでゆけ。

とにかく、山スキーについての知見がとても深まった素晴らしい山行だった。自分はまだまだ未熟だということを改めて理解した。未熟な自分を引っ張ってくださったテレマークの大先輩方に感謝したい。

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